TOEIC®初心者の自己体験をもとに、ちょっと知っておくと気楽になる点やつまづくポイント、今後実践してみたいと思った対策などの気づきをレポートしています。
パート1・パート2に続き、今回はリスニングのパート3(会話問題)について。
パート3まですすむと、ある程度長い時間のリスニングで会話の全体像をつかむスキルが求められます。なんの下準備もなく挑んだ場合、まさに当たって砕ける様相が強くなります・・・。一方で、問題のパターンはある程度決まっていますので、初心者の私は、まずこの基本のパターンを理解するところから取り組んでいます。
簡単ではないですが、パート3やパート4は聞こえた時の「できた感」が感じられる嬉しいパートです!
この記事はこんな人におすすめ
・TOEIC® L&Rテストを受けてみようかどうしようか悩んでいる
・TOEIC® L&Rのリスニングテスト パート3の流れを知りたい
・TOEIC® L&Rのリスニングテスト パート3の初心者向け対策を知りたい
・TOEIC® L&Rに挑戦しようとしているが難しくて早くも挫折しそう
TOEIC® L&Rのリスニング パート1写真描写問題のこと
TOEIC® L&Rのリスニング パート2応答問題のこと
TOEIC® L&Rテスト リスニングパート パート3の構成と求められるスキル
TOEIC® L&Rテストはマークシートで解答を選択する方式のテストです。テストは英文のみで構成されており、英文和訳・和文英訳といった設問はありません。TOEIC® L&Rテストのリスニングパートは全体で100問の設問があり、時間は45分間です。
テスト全体の第3パートとなる「会話問題」は、全39問のリスニング問題です。
TOEIC® L&Rテスト パート3の内容
会話問題 13会話×3設問=39問
2~3人の会話が放送され、その会話内容を問う設問に対する正しい回答を選ぶ。4択からの選択。
13パターンの会話に対して3つの問題が用意されている。会話は1度放送されるのみで問題用紙に印刷されていないが、3つの設問とその解答となる4つの選択肢は印刷されている。
パート3は39問の設問があり、リスニング全体100問のうち構成比が最も大きいパートです。時間的にもリスニングパート全体の45分のうち約17分程度を占めますので、構成比としては38%程になります。このパートで集中力を切らさず取り組めるかどうかが全体の出来栄えに影響する重要なパートと言えそうです。
このパートに取り組むキーポイントとなる構成の特徴として、以下の2点があります。
・問題用紙に設問と選択肢が印刷されている
・問題毎に「次の会話を聞いて解答してください」という意味の短い案内文が入る
パート3をうまく乗り切るためには、上記の2つの特徴をうまく活用することがポイントになります。
では、具体的に、どのような問題が出題されるか、音声・テスト冊子の情報・和訳の順番に見ていきます。
パート3の問題サンプル 音声
パート3の問題サンプル テスト冊子に印刷されている情報
パート3の問題サンプル 和訳
この例題の場合、解答は
Q38 二人は何について話し合っていますか?
B)プロモーションイベント
Q39 ニコラス・ラムさんはどういう人ですか?
D)作家
Q40 女性は何時にイベントに行く予定ですか?
B)午後3時
となります。
このように、パート3では、まず「Question 38 through 40 refer to the following conversation. (問題38から40は、次の会話に関するものです)」のような案内の一文の音声があり、続いて30秒〜40秒の会話が読み上げられます。会話の後に3つの問題が流れます。選択肢は読み上げられず、問題が流れ終わってから次の問題が流れ始めるまでの間隔はおよそ8秒です。
この会話問題が、とめどなく13セット(13会話)繰り返される、という構成です。
だいぶ難易度が高くなってきました・・・
朗報として、会話の内容は社会人経験のある大人の学び直し組にはイメージしやすいシチュエーションが多いです。例えば、会議のリスケや販促の打ち合わせについて、人事の話、壊れた家電のクレームなど・・・、このシチュエーションって学生の皆さんにとってはけっこうイメージが難しいのでは、という場面が頻出しますので、大人はその分だけ有利とということで、挫折しないように頑張りたいところです。
また、3問の設問は、ある程度パターンが決まっています。
パート3の出題パターン
1問目:会話全体の内容を把握しているかどうかを聞かれる
「何について話し合っているか?」「何が問題になっているか?」「どこで話し合われている会話か?」など
2問目:登場人物について聞かれる
登場人物の行動や、行動の理由
登場人物の職業、現在(あるいは過去)おかれている状況など
3問目:これから起きることを聞かれる
登場人物の行動、会議や施設の今後の予定など
上記パターンのうち、何が問われているかを知るヒントとして問題用紙に印刷されている設問と選択肢を活用することができます。
注意点としては、設問は音声が流れますが解答の選択肢は音声なしで進みますので、4択のうちどれが正解かは目で確認して、判断する必要があります。このようなことからパート3では以下のようなスキルが求められていると考えられます。
TOEIC® L&Rテスト リスニング パート3で求められるスキル
①会話内容を想像する力
②速読力
③リスニング力
④語彙力
⑤ながらで聞く力
リスニングのパートなので、当然リスニング力や会話を想像する力は必要なのです。その中で、あえて②を速読力としたのは、設問の解答となる4択をすばやく理解する力やテスト冊子の設問を先読みする力など、「リーディング力=読む力」が重要になってくる印象が強いからです。
TOEIC®の公式ページでサンプル問題が公開されていますので、まずは体験してみると良いと思います。
TOEIC®テストの全体構成が気になるときはこちら
TOEIC® L&Rテスト パート3の難しさと気楽さ
一気に難易度を増すパート3。初心者にとって何が難しく感じるのでしょうか?
個人的な感想ではありますが、パート3の難しさは大きく3つあると思います。
難しいポイント その1:とにかく約30秒、誰かと誰かの会話を聞き続けること
まずとにかくおよそ30秒の間、中身が分かろうが分かるまいが誰かと誰かの会話を聞き続ける集中力が求められます。全く中身がわからない!となっても、落ち着いて。。。会話が13セットも続くパート3をハンドリングしなくてはいけません。
テスト慣れしていない大人は、黙って30秒×13セットの会話に挑むことがまず第一の難関と思われます。
集中が途切れると印刷されている情報が、ヒントどころか邪念となって肝心の音声が頭に入って来ない、という事態に。
難しいポイント その2:表現の置換
さらに、パート1・パート2に引き続き、会話中と設問で同じ意味の違う表現が使われることが頻出し、逆に似たような発音や表現が出てくる解答は引っ掛け問題だったりします。
例えば、会話中で、女性が「I am planning on going to the gym for a quick workout. (ジムでちょっとトレーニングしようと思ってる)」と言っていたとします。問題では「What will the woman probably do next?(女性は次に何をすると思いますか?)」と聞かれます。答えは「Get some exercise (運動する)」です。「ジムに行ってトレーニングする=エクセサイズ(運動)する」という具合に、解答では動作の表現が変わっているパターンです。
そのうえ、選択肢に「Go to work(仕事に行く)」なんてあった日には、会話で出てきたトレーニングを意味する「workout」とごっちゃになって大混乱です。
同じことが別の表現で、というのはTOEICテスト全般の特徴とも言えますので、これはもうそういうもんだと思って慣れていくしかなさそうです。
難しいポイント その3:ひとくせある計算問題
これは、その2の「表現の置換」にも通じます。答えを導き出すために、当方がひと手間考えたり計算したりしないといけないパターンです。
例えば、上記の例題に以下のような設問がありました。
もともとのイベントは2時に予定されていたのに4時にリスケされた。そして、登場人物は「イベントは混むから1時間前には行く」と言っている。ということは、4時の1時間前の3時が正解、というわけです。
性格わるくない?!
会話では、登場人物は「私は何時に行く」と直接的に話してはいないけれど、前後の表現から計算すれば時間を推察できるという内容です。
同じようなパターンとして「水曜日に会議がある、議事録の提出期限は2日後だよ」という会話内容に対し、問題で「議事録はいつまでに提出すべきか?」と問われて「金曜日」が正解、という例もあります。
このような問題は会話の中には直接的な答えがないので、難しく感じてしまいます。
一方で、これまた個人的な感想ですが、私の場合はパート1・パート2よりパート3のほうが気楽で理解しやすい部分もあります。それはやはり経験済みのシチュエーションが多いということです。これは経験値の高い大人には本当に有利なポイントになるのではないかと思います。分からない表現や単語を、経験がカバーしてくれるシーンは多くあると思います。
また、設問がある程度パターン化されていることも気楽なポイントです。上述のとおり、難しいポイントがあることを念頭に、パターンに慣れていく学習を進めることができます。
TOEIC® L&Rテスト パート3に臨む心構えと対策
では、TOEIC® L&Rテスト パート3にどのような心構えで臨むか、です。
TOEIC® L&Rテスト パート3の心構え
①出題パターンを知る
②できれば設問を先読み
③会話放送中は音声に集中
まず、①出題パターンについて。パート3は聞かれる内容や正解を難しくしているポイントなどがある程度パターン化しています。表現を変えて聞いてくることや計算が必要なことなどの意地悪パターン(?)があるということも含め、そういうものだと認識しておく心構えが必要です。
②として、出題パターンをより具体的にイメージするために、できれば設問だけ先読みしておけると気楽です。といっても、初心者には先読みしながら音声を聞くことは難しいので、音声が3つの設問を読み上げている時間を使ってできるだけ早く解答し、余った時間を次の問題の設問に目を通す時間に充てる気持ちで臨んでみるというイメージです。
具体的に、上述の例題の場合、以下のような内容がテスト冊子に印刷されています。およそ30秒の会話の後、設問の放送が間合いも含めて約40秒あります。この時間を使って3問になるべく早く解答し、10秒でも余れば、次の問題の設問に目を通す、という流れです。
先読みの精度を上げるポイントとして、5W1Hと固有名詞を確認する心がけをおすすめします。具体的には下記の太字オレンジマーカーの部分です。
5W1Hといった疑問詞を確認するのは、何を聞かれるのかの直接的なヒントになります。
この基本的な確認に加え、設問に名前や会社名、場所などの固有名詞があるときは、これに一回目を通すだけでだいぶ気楽です。設問に固有名詞が出てきたときは、その主が会話に必ず登場するわけですが、初めて聞く固有名詞はとかく「聞いたこともない知らない単語」として混乱の火種になります。この混乱を避けるために、設問にもし固有名詞っぽいものがあれば、設問の内容はともかく、誰かが登場するぞということだけでも先に認識できれば安心です。
心構え③として、会話放送中は音声に集中です。パート3とパート4ではテスト冊子に印刷されている情報を活用することと、惑わされないこと、のバランスがポイントと思われます。
どんなに設問を理解したところで、会話内容を理解していなければ正解を導くことはできません。ですので、やっぱり、重要度は「会話をちゃんと聞く>>>>設問の先読み」の順なのです。先読みに気を取られすぎるとヒントになるべき情報が邪念となって肝心の音声が頭に入って来ない、という事態になってしまいます。
はい、私です・・・
逆に、会話を落ち着いて聞き取れれば、もし先読みする時間がなかったとしても簡単に解答できる問題もあります。
会話に集中すること、という心構えが重要です。
会話の冒頭に流れる「Question 41 through 43 refer to the following conversation. 」が聞こえたら、もう目を閉じて設問を見えなくしてしまう方法もあります。
私の場合、放送中に設問を見ているときより目をつぶっているほうが正答率が上がります。
まとめ
正直このあたりまでくると、パート1・パート2のように心構えだけで気楽になれる部分はだいぶ減ってきます。一方で、テスト用紙に設問が印刷されている点や、出題パターンがおよそ決まっている点などパート1・パート2よりも取り組みやすい点もあります。
なにより30秒とはいえ「会話が聞こえた!」という達成感があり、正解したときはとても嬉しいものです。
この達成感を味わうためにも、設問の先読みにとらわれすぎず、会話そのものを理解する心構えが大事です。
・問題用紙に設問と選択肢が印刷されている
・問題毎に「次の会話を聞いて解答してください」という意味の短い案内文が入る
TOEIC® L&Rテスト リスニングパート パート3で求められるスキル
①会話内容を想像する力
②速読力
③リスニング力
④語彙力
⑤ながらで聞く力
TOEIC® L&Rテスト リスニングパート パート3 のつまづきポイント
・約30秒の会話と約40秒の設問×13セットをやり抜く集中力を保てない
・表現の置換が頻出
・解答にひと手間が必要な問題の存在
先読みの活用は大事ですが、本題の会話を聞くことに集中力を結集するほうが、気が散らずに39問を終えられるという印象があります。先読みする時間がない!会話に分からない単語がどんどん出てくる!という事実に挫折しそうなときは、あまり慌てず、初心にかえって会話全体をぼんやりでも理解しようと努めると光が見えてくるのではないでしょうか。
えいえいおー!
やはり教材としては、公式問題集で実際のテストのスピード感やナレーションのトーンなどを体験しつつ学習すると良いようです。パート3やパート4の傾向だけを集めた問題集やTOEIC特化型の学習アプリもありますので、そういった教材を活用するのも良いですね!
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