TOEIC®初心者の自己体験をもとに、ちょっと知っておくと気楽になる点やつまづくポイント、今後実践してみたいと思った対策などの気づきをレポートしています。
今回はリスニングの最終セクションであるパート4(会話問題)について。
パート3に引き続き、パート4もある程度長い時間のリスニングで会話の全体像をつかむスキルが求められます。しかし問題のパターンはある程度決まっており、パート3と共通する部分も多くあります。
パート3やパート4は聞こえた時の「できた感」が感じられる嬉しいパートでもありますので、出題パターンを理解しつつ取り組めると良いと思います。
この記事はこんな人におすすめ
・TOEIC® L&Rテストを受けてみようかどうしようか悩んでいる
・TOEIC® L&Rのリスニングテスト パート4の流れを知りたい
・TOEIC® L&Rのリスニングテスト パート4の初心者向け対策を知りたい
・TOEIC® L&Rに挑戦しようとしているが難しくて早くも挫折しそう
TOEIC® L&Rのリスニング パート1~パート3のこと
TOEIC® L&Rテスト リスニングパート パート4の構成と求められるスキル
TOEIC® L&Rテストはマークシートで解答を選択する方式のテストです。テストは英文のみで構成されており、英文和訳・和文英訳といった設問はありません。TOEIC® L&Rテストのリスニングパートは全体で100問の設問があり、時間は45分間です。
テスト全体の第4パートとなる「説明文問題」は、リスニングテストの最終セクションで全30問で構成されています。
TOEIC® L&Rテスト パート4の内容
説明文問題 10説明文×3設問=30問
1名が発話するアナウンスやナレーションのような説明文が放送され、その説明内容を問う設問に対する正しい回答を選ぶ。選択肢は4択ある。
10パターンの説明に対して3つの設問に答える構成。
説明文は1度放送されるのみで問題用紙に印刷されていないが、3つの設問とその解答となる4つの選択肢は印刷されている。
パート4はリスニングパート全体100問のうち30問、時間的には45分のうち約13分程度を占めます。問題数・時間ともリスニングテストのうち30%程度の構成比となり、パート3に次いでボリュームのある部分です。
問題の構成や流れとしては、パート3「会話問題」とほとんど同じですが、パート3との決定的な違いは「1名が発話する」というところです。
では、具体的に、どのような問題が出題されるか、音声・テスト冊子の情報・和訳の順番に見ていきます。
パート4の問題サンプル 音声
パート4の問題サンプル テスト冊子に印刷されている情報
パート4の問題サンプル 和訳
この例題の場合、解答は
Q77 何がアナウンスされていますか?
D)ルートの変更
Q78 話し手の職業は何だと推察されますか?
D)バスの運転手
Q79 話し手が”To us, you always come first”と言っているとき、何を意味していますか?
A)この会社はサービスを重要視している
となります。
パート3・会話問題と同様に、まず「Questions 77 though 79 refer to the following announcement. (問題77~79は、次のお知らせに関するものです)」のような案内の一文の音声があり、続いて30秒〜40秒の英文が読み上げられます。その後3つの問題が流れます。選択肢は読み上げられず、問題が流れ終わってから次の問題が流れ始めるまでの間隔はおよそ8秒です。
また、設問のお決まりパターンもパート3・会話問題とほぼ同じで、何が問われているかを知るヒントとして問題用紙に印刷されている設問と選択肢を活用することができます。問題用紙に図表やイラストが描かれているパターンもあります。
パート4の出題パターン =パート3の出題パターンとほぼ同じ
1問目:英文全体の内容を把握しているかどうかを聞かれる
「何についての話か?」「放送の目的は何か?」「どこで流れた内容か?」など
2問目:登場人物について聞かれる
登場人物の職業、登場人物の行動や、行動の理由
現在(あるいは過去)おかれている状況など
3問目:これから起きることを聞かれる
この話の内容を聞いてやるべきことや会議や施設の今後の予定など
このように、パート4はテストの構成や設問はほとんどパート3と同じですので、求められるスキルもパート3とほとんど同じと考えておいて大丈夫です。
TOEIC® L&Rテスト リスニング パート4で求められるスキル =パート3のスキルとほぼ同じ
①内容を想像する力
②速読力
③リスニング力
④語彙力
⑤ながらで聞く力
TOEIC®の公式ページでサンプル問題が公開されていますので、まずは体験してみると良いと思います。
TOEIC®テストの全体構成が気になるときはこちら
TOEIC® L&Rテスト パート4の難しさと気楽さ
パート4の気楽さは、なんといっても、テストの構成や設問のパターンがパート3とほとんど同じ、というところです。
そういう意味では、TOEIC® L&Rテストのリスニング対策としては、パート1対策・パート2対策・パート3&4の対策という3パターンに分けられるかもしれません。
パート4の難しさも基本的にはパート3と同じです。
TOEIC® L&Rテスト パート4の難しさ =パート3とほぼ同じ
その1:とにかく約30秒、誰かがしゃべっているのを聞き続けること
その2:表現の置換
その3:ひとくせある計算問題
ただ、パート3の会話内容がビジネス経験のある大人がイメージしやすい内容が多く感じるのに対し、パート4の説明内容は非常に多岐にわたっており「え?何の話?!」と感じてしまう場面が多い気がします。
ハイテンションのスーパーのセール会場のアナウンスやラジオの軽いニュースもあれば、シリアスな人事異動の告知やビジネスの留守電もあり、、、なかなか頭を切り替えるのが大変です。
メインの英文は会話問題も説明文問題もおよそ30秒前後なのですが、説明文のほうが一人がずっとしゃべるせいか、長く感じます。
また、会話のヒアリングであれば、途中に「Really?」や「That sounds good.」などの感情表現を聞き取れたり、声のトーンの変化が聞こえたりすることで、いい話なのか悪い話なのかくらいはイメージしやすいのですが、説明文だと全くつかみどころが分からないまま時が過ぎていくという場合もあります。。。
取り扱う場面が多岐にわたっていて、感情的な間合いや周辺からのヒントが少ない=場面をイメージする想像力がより試される、というところがパート4特有の難しさかもしれません。
いずれにしても、何の話かイメージするために特に冒頭部分をしっかり集中して聞けるかどうかが大事っぽい!
TOEIC® L&Rテスト パート4に臨む心構えと対策
では、TOEIC® L&Rテスト パート4にどのような心構えで臨むか、です。
上述のとおりパート4特有の難しさとして「取り扱う場面が多岐にわたっていて、感情的な間合いや周辺からのヒントが少ない」という問題があります。
この問題の解決の糸口になるのが、メインの英文の前に流れる出題のアナウンスです。
例題では、以下の音声
パート3の場合、announcementの箇所は、ほぼ following conversation.です。会話問題なんだから当たり前?!
ところがパート4では、followingの後がさまざまに変化し、場面をイメージする有力なヒントになります。
何が題材になっているかfollowing以下で確認
ちょっとしたことではありますが、フォロイング広告なのかフォロイング留守電なのか、分かってから聞き始めると比較的落ち着いて臨むことができます。
announcementやtalkと言われると、あんまりヒントにならないから、「もうー!もうちょっと具体的に!!」と思っちゃうけど。
そのほかの心構えは、パート3と同じ認識です。
TOEIC® L&Rテスト パート4の心構え
①メイン英文前のアナウンスをちゃんと聞く
②出題パターンを知る
③できれば設問を先読み
④会話放送中は音声に集中
心構え①として、まずこの音声が何を題材にしているのかfollowing XXXを聞き取るところからスタートします。
続いて②出題パターンについては、パート3に引き続き、話の内容や話し手の職業を聞かれるというお決まりの出題パターンを認識しておく心構えが必要です。設問によく出る単語を勉強しておくのも大事です。以下のような単語が設問の頻出単語です。
TOEIC® L&Rテスト 設問に出てくる頻出単語
purpose 目的
imply 示唆する・意味する
mean 意味する
excerpt 引用する・抜粋
mention 言及する
refer to 参照する
また③の先読みは、前の問題を解いて余った時間で、テスト用紙に印刷されている設問の5W1Hと固有名詞を目に入れておければ最高です。具体的には下記の太字オレンジマーカーの部分です。
この例文の場合、メインの放送の中身はバスの運行予定ですので、日時や場所の情報が山ほど出てきます。このような情報が耳に入ってくると「絶対この情報を聞かれるはずだ」と緊張してしまいますよね。。。しかし、実は設問には「When」や「Where」で聞かれているものが全くありません。
つまり、もし設問をパッと先読みできていたら、メインの放送中にウジャウジャ出てくる4 P.M.(午後4時)だの1st street(一番通り)だのという情報に惑わされず、全体を俯瞰できるわけです。
ただ、Q79のような設問「〇〇といった意味の真意はなんですか?」は、このフレーズに引っ張られすぎると他のことが聞こえなくなるパターンもありますので、先読みしすぎない注意が必要かもしれません。
パート4でもやっぱり基本は、メインの英文放送中は音声に集中です。重要なことは「内容をちゃんと聞く>>>>設問の先読み」であることを忘れず臨みたいところです。
関連で、パート3でもパート4でもテスト用紙に図表やイラストが印刷されていて、初心者をおおいに惑わしてきます。
が、図表はあまり気にしなくていいと思われます。実は、パート3とパート4の図表にはたいした内容もなく、先読みしても大したヒントにもならないと(私は)思います。
この図表を先読みする暇があればもう上級者であり、初心者はメインの英文のリスニングに集中したほうが結果的に図表の内容も理解できる気がします。
後半のリーディング問題では、図表がヒントになるケースがあります。その印象でパート3・パート4の図表に囚われてしまわないようにしたいところです。
まとめ
TOEIC® L&Rテスト パート4の構成や設問のパターンは、パート3の会話問題とほとんど同じです。
ただ、取り扱う場面が多岐にわたっていて、一人の人が流暢に(?)サラサラと話すので、場面のイメージをつかみ損ねると全く何のことか分からなくなってしまう危険があります。
パート3以上に、場面を想像する心構えをもつことと、メインの英文の前に流れるヒントを聞き逃さないことを心掛けると取り組みやすいのではないかと思います。
TOEIC® L&Rテスト リスニングパート パート4で求められるスキル
①内容を想像する力
②速読力
③リスニング力
④語彙力
⑤ながらで聞く力
TOEIC® L&Rテスト リスニングパート パート4のつまづきポイント
・取り扱う場面が多岐にわたり感情的な間合いや周辺からの場面ヒントが少ない
・表現の置換が頻出
・解答にひと手間が必要な問題の存在
えいえいおー!
教材としては、公式問題集で実際のテストのスピード感やナレーションのトーンなどを体験しつつ学習すると良いようです。パート3やパート4の傾向だけを集めた問題集やTOEIC特化型の学習アプリもありますので、そういった教材を活用するのも良いですね!
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